アロマテラピーと私たちの生活

アロマは「芳香」、テラピーは「療法」のことで、合わせて「アロマテラピー」は「芳香療法」という意味です。
アロマテラピーは精油を用いて、心身の健康に役立てたり、良い香りで生活を楽しくしてくれるものです。
私たちは香りを子供のころから、生活の中で知らない間に親しんできました。五月の節句にはいる「菖蒲湯」、冬至の日に入る「ゆず湯」もその香りで心をリフレッシュし、含まれた香りの成分が、その季節に応じて体を整えるよう作用をしていました。また、仏教の伝来とともにやって来たお香。私たちは今もお香の香りの中で、遠い昔のいにしえの都に懐かしさを感じるように、心が落ち着きます、近ごろはハーブティを楽しまれている方も多いですが、香りを楽しみ、おだやかな薬効成分を体に取り入れることも、広い意味でアロマテラピーになります。
このように私たちは生活の中で、植物の恩恵を受けながら、アロマテラピーを経験し受け継いできたわけです。そして今、「精油」という「香りの恵み」を、「私らしくあるために」、「私たちが自然の一部であることを思い出すために」、役立てていくことが、この時代に必要とされている本当の意味での「癒し」につながっていくのではないかと思います。
香りのあるNaturalな暮らしを一人でも多くの方が楽しまれることを心から願いつつ、アロマテラピーのお話を始めていきましょう。
どのように香りを感じるのでしょう?
*香りを感じる4つのルート*
嗅覚からの伝達
あるにおいを物質を嗅ぎ、その揮発成分が鼻から吸入され、鼻の奥の上部にある嗅上皮の粘膜に付着し、そこで嗅細胞が出している毛(嗅毛)にキャッチされると、それが嗅神経の興奮となって、電気的インパルスが大脳辺縁系といわれる脳の領域にはいります。
大脳辺縁系は本能的な活動と関連し、食欲や性欲、快感や怒り、痛みやにおい、記憶などを司るところで、自律神経や内分泌機能などとも関係深く、身体の調整に直接的に関わっています。「香り」を嗅いで、気持ちが落ち着いたり、元気になったり、明るくなったりするのは、このようなことが大脳新皮質の認識を待たずにおこなわれるからだといわれています。
皮膚から
植物油で薄められて、皮膚に塗られた精油成分の分子はとても小さいので、皮膚内に浸透しそこで肌に潤いを与えたり、いろいろなトラブルに効果を上げたりして、皮膚にある抹消血管にはいり、血流に乗って全身へと運ばれます。その成分が身体に影響を与えた後、解毒されて、汗や尿、呼気として排泄されます。
吸引によって
精油成分を吸い込んだ時、嗅覚で捉えられると同時に、鼻の粘膜や肺の中に入りその末端から、わずかながら血管に入り、その成分が身体に影響を与えます。
消化器から
フランスなどでは医師の処方の元に精油の飲用がなされたり、また、日本においても一部の医師の間で精油を薬品のように口から摂取することがおこなわれていますが、(社)日本アロマ環境協会では飲用はおすすめしていません。飲用された精油成分は口、のど、食道、胃、小腸などの消化菅の粘膜からも吸収されます。これは、他の3つの経路に比べて、大量の精油を吸収する可能性があるので、特に注意が必要です。
精油(エッセンシャルオイル)とは?
精油は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然のもので、有効成分を高濃度に含有しています。精油は、各植物によって特有の香りと機能をもっています。
精油の性質
・とても良い香りをもっているという芳香性
・
空気中に放置しておくとすべて蒸発してしまうという揮発性
・
水には溶けにくく、油に非常に良く溶けるという親油性(脂溶性)
精油は化学物質
精油は天然の化学物質が数十から数百種集まってできたものです。その成分が精油の香りや働きに影響を与えており、その成分の中には人間にとって有益なものがたくさんありますが、中には害のあるものもあります。それらが自然の絶妙なバランスで精油として、私たちに恩恵を与えてくれているのです。充分な知識を持って、安全に取り扱うことが重要になります。
精油はどのように作られるのでしょうか?
水蒸気蒸留法( 水蒸気で蒸して芳香成分を得る方法)
植物原料を蒸留釜に入れ水蒸気を吹き込んだり、釜に入っている水を沸騰させたりして、植物の芳香成分を蒸発させ、その芳香成分の入った水蒸気を、冷却菅で冷やし、液体に戻します。比重の軽い精油成分は、水に溶けず浮上するので、容易に分別することができ、その際に得られる水は芳香蒸留水と呼ばれています。(フローラルウォーターともハーブウォーターとも呼ばれます)。
*芳香蒸留は「次世代のアロマテラピーとして注目されています。詳しくはSoppingをどうぞ。
圧搾法(圧搾して、搾り、芳香成分を得る方法)
・熱に弱い柑橘類の精油を抽出する時に使われ、果皮をローラーや遠心法の機械で圧搾し、低温で精油を得ます。
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自然の香気を保っていますが、不純物が混じり、変質しやすい成分も多いので、他の精油に比べて品質の劣化が早いので注意が必要です。また、果皮を直接搾りますので、農薬の心配もあり、オーガニックの精油がおすすめです。
溶剤抽出法(溶剤に溶かして芳香成分を得る方法)
・植物の芳香成分をよく溶かしだす揮発性の有機溶剤(石油エーテル、ヘキサン、ベンゼン)を使用して、植物を入れた溶剤釜で抽出し、ここからエチルエーテルアルコールで芳香成分を取り出し、最後に得られたものを「アブソリュート(Abs.と表示)」と呼んでいます。
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ローズやジャスミンなどの微妙な花の香りを得るのには、とても優れた方法でが、溶剤が残っている可能性もあり、トリートメントで使うよりは、芳香浴などがおすすめです。
精油にはどんな作用があるのでしょうか?
*心や体のバランスを整える精油の働き*
●心や体への作用
鎮静作用:こころと体を鎮静し、リラックスさせる作用がある。
鎮痛作用:各種の痛みをやわらげる。
鎮痙作用:筋肉の緊張を緩める作用。
消化・食欲増進作用:胃腸の消化活動を高めたり、食欲をます作用。
ホルモン調整作用:ホルモンの分泌を調整する作用。
刺激作用:こころや体を刺激して、元気にしてくれる。
強壮作用:身体各部、全身の働きを高める。
免疫賦活作用:免疫力を高める。
利尿作用:尿の排泄を促進する作用。
●お肌への作用
収斂作用:皮膚を引き締める作用。
保湿作用:皮膚に潤いを与える作用。
エモリメント作用:皮膚を柔らかくする。
●細菌やウィルス、虫などに対する作用
殺菌作用:バクテリアなどの菌を殺す作用。
抗菌作用:細菌の繁殖を抑える作用。
抗真菌作用:真菌の増殖を抑える作用。
抗ウイルス作用:ウイルスの増殖をおさえる。
殺虫・虫よけ作用: 虫を殺したり、除けたりする方法。
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